定期講演会:【生成AIによる業務改革-生成AIで変わる業務のやり方-】
標題:【生成AIによる業務改革-生成AIで変わる業務のやり方-】
1. 生成AIの概要
2. 生成AIによる仕事の変化と業務改革
3. 生成AIによる業務効率化と事例
4. ビジネスで使用する上での課題と対策
講師:埼玉学園大学経済経営学部 教授 森 雅俊先生(元元IBM・千葉工業大学教授)
ここにメッセージを入れることができます。
第6回 改めて・いまなぜ概念データモデル設計か
第6回 改めて・いまなぜ概念データモデル設計か 情報システムを構築するとき、「利用者(多数)」と「技術・技能者」が一定の構想を共有する必要がある。 技術・技能は幾つもの分野に分かれており、様々な経緯で...
第1回 IT利用の考え方と枠組みの改革
第1回 IT利用の考え方と枠組みの改革 -DXの前に改革すべき事柄があるー 2024年現在、ITによるビジネス改革DXが話題となっている。しかし、成功する可能性はかなり低い。IT利用の考え方と枠組み(商習慣を含む)...
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第2回 情報システム・アーキテクチャ概説 -「情報で組織を繋ぐ」基盤構造ー 組織とは異質な能力を持つ人たちが力を合わせて、ビジネスを成し遂げることである。現代のビジネスは自企業内だけでは事業を成し遂げ...
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第3回 情報システム構築・整備の工法 -利用者主体のシステム化ー 情報システムは「情報のシステム」であり、ソフトウエアやITではない。ビジネス組織が関心を持つ物事の事実を 「情報」として捉え、ビジネスの現...
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第4回 情報品質保証 世の中には「虚偽情報」が蔓延している。 沢山の「情報」の中から「事実」を捉える努力と工夫が欠かせない。 ITが世界中に普及した現在、放置すると、ニセ情報が組織を誤らせる恐れがある。 ...
第5回 MASPアーキテクチャ
第5回 MASPアーキテクチャ -事例:日本の製造業の長所を強化するための情報技術- 日本の製造現場はITに悩まされ続けている。 ・意味の汲み取り難い管理資料・帳票 ・目的不明のコード化 ・顧客注文の「ムリ、ム...
第6回 情報システムアーキテクトテクトを目指して
第6回 情報システムアーキテクトテクトを目指して ISA講座のまとめとして、情報システムをおさらいをしたうえでそれらの情報システムアーキテクチャを 扱う人技術者・技能者を「情報システムアーキテクト」と...
認定ソフトウエア
認定ソフトウェアとは MASP会員ユーザが当協会からFBOMおよび技術ノウハウの提供を受けてソフトウエアを開発した場合、MASPが内容を審査して、認定ソフトウエアと定めたソフトウェアをいう。 認定ソフトウェア1...
令和7年1月29日(水):セミナー「工程管理システム化の勧め」
NPO法人 技術データ管理支援協会(略称:MASP)は、日本の製造業の長所を強化するための情報技術整備に1998年以来、取り組んできました。その中核技術である工程管理について解説するセミナー「工程管理システム...
令和7年1月23日(木)「専門家派遣やものづくり補助金を活用した ITによる業務改革事例」講演
当協会の安保理事が令和7年1月23日(木)13時半から17時の間に, (公財)千葉市産業復興財団ビジネス交流会で以下のテーマで講演を行います. 表題:「専門家派遣やものづくり補助金を活用したITによる業務改革...
関連文献
関連書籍、関連文書のご紹介
関連書籍
関連書籍 ・ものづくりマネジメントと情報技術 ・働く人の心をつなぐ情報技術 ・ITによる業務変革の「正攻法」JFEスチールの挑戦 ・企業情報システムアーキテクチャ ・「気配り生産」システム ・ERPとビジネス改...
標題:【生成AIによる業務改革-生成AIで変わる業務のやり方-】
1. 生成AIの概要
2. 生成AIによる仕事の変化と業務改革
3. 生成AIによる業務効率化と事例
4. ビジネスで使用する上での課題と対策
講師:埼玉学園大学経済経営学部 教授 森 雅俊先生(元元IBM・千葉工業大学教授)
【DX推進を行う人に向けて】 (株)バイス 髙橋 哲様
DX推進が叫ばれて、3年が経ちますが、踊らさせれた割には・・・
という組織も多いのではないかと思います。
ここは、原点に戻って、DX推進って何?の観点から、高橋様に語って頂きます。
あなたの会社のDXってどんなこと!
・ 何が変わる、何を変る/変えないのか ・・・
・ どうやって変えるのか
・ 推進のアプローチと課題対応は・・・
講師紹介
髙橋 哲(タカハシ サトシ)
1.(株)東芝 情報システム部門 勤務(~2011/10)
① 情報システムの企画立案/運営を介した事業部門等の業務改善
*原子力事業部門:・事業部門の情報システム推進計画の立案策定と運営
・エンジニアリング業務の改善
配置設計3D-CAD、3D-Computer modeling system
・定期点検工事計画検討(プロジェクト管理sys)など
*本社部門: ・東芝ERPの導入/機能強化と事業所生産管理/資材調達への適用
*携帯事業部門: ・中国現地法人(販売・製造)の情報システム整備・立上げ
② 企業内部統制(JSOX)の監査運営、個人情報保護対応と指導 等
2.(株)バイスBAIS (Business Analysis & Intelligent Solutions) Co.LTD 設立 (2012年9月~ 現在)
【業務】
・経営コンサルタント業
・情報システム及びリスクマネジメントの構築支援など
【支援した主な業務】
・情報システムの構築方法コンサル/指導 (顧客:電力会社 等)
・Engineeringシステム開発仕様纏め&開発プロジェクトPM
(顧客:電力関連会社、自動車部品製造会社、建築ゼネコン 等)
3.資格認定等: PMAJ認定 :プロジェクトマネジメント・スペシャリスト
全情協認定 :上級個人情報保護士、マイナンバー管理士、
DXアドバイザー 等
NPO:技術データ管理支援協会(MASP)理事
1.エクサ社によるSPBOMのLIXIL社への適用事例
LIXIL社は、事業の急激な変化やM&Aに迅速かつ低コストで対応するためグループ横断の統合生産システムを構築
その基盤としてエクサ社のSPBOMを採用、大きな成果を上げている。
(SPBOMはMASPコンソーシアムの共同研究の中でエクサ社によって開発された統合BOMである。)
エクサ社の事例書庫
2.ブリヂストン社 FBOM、「なりゆきスケジューラ」を採用
タイヤモールドのバリエーションが増えたこと、リーマン・ショック以降は増産や生産停止が激しくなり、人では対応が難しくなった。そこで工程情報を一括してFBOMに登録し、「なりゆきスケジューラ」による生産計画の精度を高めた。これによって、鋳造のマスターモデルになる木型製作もスケジュール対象にし、2回目以降は木型を鋳造工程での資源として引き当てるなど複雑な処理が可能になり、タイヤモールドのバリエーションによって工程が変わるのを自動計算し、現場に指示を出せるシステムになった。
引用元: 日経ものづくり 2016年12月号 記事入手サイト(有料)
特集1 先読み設計:〔製造連携〕 生産計画も素早く策定 工程情報を再利用
関連書籍
・ものづくりマネジメントと情報技術
・働く人の心をつなぐ情報技術
・ITによる業務変革の「正攻法」JFEスチールの挑戦
・企業情報システムアーキテクチャ
・「気配り生産」システム
・ERPとビジネス改革
・オブジェクト指向の世界
・ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国
・成功に導くシステム統合の論点
本書では、日本の製造業に「顧客志向の価値創造」を目指してIT(情報技術)を活用することを提案する。
もちろん、ITが価値を創造するのではない。大半の価値は製品開発部門で創造される。生産技術(生産準備)ではその価値を増殖できるようにし、生産・購買では価値を増殖し、販売、導入設置・工事では価値を顧客に提供する。現在の製造ビジネスでは販売やアフターサービスで創造される価値も重要である。
ビジネスは絶えず変動し、ビジネスに関与する人々は絶えず進化する。その進化を情報システムがしなやか且つ迅速に受け止めること(ソフトウエア保守の容易性)が肝要である。本書では、技術規則やビジネス規則を統合工程部品表に登録し、生産販売や工程管理用のソフトウエアがそれを参照して作動する情報システム・アーキテクチャを示している。実際に使用した企業では日々発生する変更要求に素早く対応し、気が付くと1年間で生産リードタイムが1/3に短縮されたとのことである。それはITの成果でなく、ビジネスの現場で働く人々の成果である。情報システムは人々の知識や知恵を素早く受け入れただけである。
本書は、概念データモデルを中心にして、情報システムのあり方、情報システム・アーキテクチャ、概念データモデルを基にしたアプリケーションの導出の考え方に関して解説している。情報システムは、企業がビジネスを遂行するための必須の要素である。そのための情報システムの構造は、企業ビジネスの構造(アーキテクチャ)と整合していることが求められる。このためにも企業のビジネス・アーキテクチャをデータの構造として表現する、概念データモデルに基づいて情報システムを構築すべきである。
本書の想定読者は、、情報システムの発注側であるユーザー企業の情報システム部門に属する方々だけでなく、情報システムを企画し活用する役割を持つユーザー部門のメンバーも想定している。本来ビジネスの構造を表わす概念データモデルは、ビジネスに精通しているユーザー部門が作成すべきものであり、情報システム部門はその手助けするのがその役割である。また担当者だけでなくマネージメントメンバーにも、読んでいただきたいと考えている。本質的な情報システムのつくり方にユーザー部門のメンバーが関わることは、マネージメントメンバーの主導と強力な支持がなければ成し遂げないからである。
ベンダー企業においても、顧客企業の情報システム化構想をサポートしたり、要件定義などに係るメンバーにも、本書は有効である。顧客企業のビジネスを理解し、それを情報システムとして構築するためには、概念データモデルは強力な手助けになる。
情報システム部門(IT部門)はこれまで以上にビジネス変革への貢献が求められています。
そのためにはまず、システム部門自身を変えなければなりません。
数々の手法を使い、部員の意識を変え、ビジネス変革に挑戦してきた、JFEスチールの
取り組みの全貌を一冊にまとめました。
【人と組織を情報でつなぎ“壁”を崩す】
変革の原則はシンプルです。企業間、部門間、担当者間で情報を共有し、一歩一歩変えていくことです。
基幹系システム統合、サプライチェーン改革、品質向上、すべてにこの原則が貫かれています。
【成果を挙げた手法と手順の詳細を開示】
概念データモデリング、アプリケーションポートフォリオマネジメント、インダストリアル
エンジアリング、サプライチェーンプランニング、ナレッジマネジメント。
いずれも新規の手法ではありませんが、これらを使いこなしている企業はまだ多くは
ありません。
本書はこうした手法を実務に適用する場合の進め方を詳しく紹介しています。
システム部門が自信を持って変革を乗り切るための実践事例集です。
情報システムの世界は、目覚ましいICT(情報通信技術)の進歩の成果が導入されてきています。経営環境の変化に適合してビジネスを進めていくには、それを支える情報システムがビジネスの変化にタイムリーに適合できるようになっていなければなりません。これはビジネスの要請に対して情報システムの対応がどれくらいの期間で達成できるか、すなわち経営のアジリティ(迅速性)を保証するための重要な要素になっているのです。しかし多くの場合、短期間で対応せざるを得ないために、その場限りの対応を繰り返しています。その結果、情報システムは複雑性を増し、ますます変化に適合できにくい構造になってしまいます。結局、これらをうまく行うには、情報システム自体が変化に適合できる構造になっていなければなりません。そのためにアーキテクチャが必要なのです。これを避けて通ると、問題は時間とともに深刻化していきます。アーキテクチャなき情報システムの構築の問題が、多くの企業において足かせになってしまうのです。
最近では自社内(インハウス)で、ゼロからすべての情報システムを内作している企業はほとんどありません。程度の差葉ありますが、外作(アウトソース)に依存している企業が多いと思います。そのため良い情報システムを構築するには、発注側であるユーザー企業と受注側であるベンダー企業の協働が必須になります。発注側は発注側の責任を果たさなければなりません。受注側も同様です。発注側が自分の役割を果たすとは、発注側が賢い発注者になることです。これがなければ、受注側が良くなるモチベーションはできません。
本書は情報システムアーキテクチャを主題にしています。特に、エンタープライズレベルの視点から企業情報システムの対象とし、その意義と体系を明確化することを目指しています。ここで企業情報システムとは、個別の情報システムの有機的集合体としての粒度のシステムを意味します。具体的には、情報システムおよびアーキテクチャという不明瞭な概念を明確化した上で、最上位ドメインの企業(エンタープライズ)の視点で情報システムアーキテクチャ概念の全体像を体系的に捉え構想することです。そしてその中での個別の情報システムのアーキテクチャを構想することが重要になってきます。
企業情報システムのレベルでアーキテクチャを構想する場合と、個別システムのレベルでアーキテクチャを構想するのとでは、考え方や方法論が異なってきます。方法論も単にどのように作ればよいかといったものから、どのように全体を調和させ、全体としての目的を達成できる構造にするかが重要になってきます。それに加えて、現状から目標とする方向に無理なく着実に移行するための方法論も求められます。
以上述べました諸点について本書では、以下の観点からアプローチしています。
・企業情報システムと情報システムの粒度の相違からくる視点の相違を明らかにする
・現状の情報システムの問題をアーキテクチャの観点から説明し解決の方向性を与える
・著者の今までの実務経験および研究者としての経験を生かし、単なる知識のための本ではなく、現場で役立つ業務遂行力を育成する本を目指す
想定読者は、情報システムの発注側(ユーザー企業の情報システム部門)と受注側(情報システムベンダー)を問わず、情報システムの企画、設計、開発、導入、運用などの業務に従事し、一連のプロセスを理解している、またそれと同等レベルの実務知識を持っている人を前提としています。具体的には、以下のような方々を対象に考えています。
・ユーザー企業およびベンダー企業における中堅レベル以上の情報システム技術者
・上記企業の管理職で、アーキテクチャを体系的に勉強し直したいと思っている人
・IT/IS系の専門職大学院大学の学生
・IT/IS関連企業の企業内教育受講者
・情報システムアーキテクチャとはどんなものかについて興味を持っている人
本書は最新の情報技術を利用してできる企業情報システムの概念構想を理解していただくために、製造業を例に取り上げて、自立・協調・分散型の新生産方式を紹介する。ただし、これは単なるアイデアではない。すでにいくつかの企業でこの構想に沿って生産システムを構築し、成功を納めた工場もある。
この生産方式は従来型の生産方式を否定するものではなく、発想転換して組み立て直したものである。したがって発送は大いに違うが手段は従来のままでよい部分が多い。またその導入は、工場の中の一部から始めてよく、全体を大改革などと意気込む必要がない。
以前、精密なMRPシステムを構築したモデル・ユーザとなっている企業に気配り生産を紹介したところ、すでに一つの工程が「気配り型」になっていることを気づかされた。その結果を調査し、これで行けそうだと自信をもって自力で始められたが、「これは当たり前のことを、当たり前ににやる方式ですね」と段階的導入が順調に進んでいる状況の報告をいただいた。ほかにも、現有の情報システムを活用するエンド・ユーザ・コンピューティングから始めて、次第に分散システムを拡張している企業でも、現場の方々が必要に迫られ、工夫して二つの工程間で「気配り方式」を始めてしまったケースがある。
気配り生産方式は量産とか多品種少量生産など、生産量や種類数に依存するものではない。相撲でいえばなまくら四つの、どのような状況にも対応できる生産方式である。したがって、その導入にあたって現場で働く人々の知恵をあるめて、全体として調和させることが重要である。そのためには、現場の人たちが気配り生産の概念を知った上で、仕組みを自らの手で設計していただくことが近道である。
ERPパッケージへの「誤解」
いま、情報システム業界では、ドイツやアメリカを発祥の地とするERPパッケージと呼ばれるソフトウェアが注目を浴びている。統合業務パッケージとも呼ばれるものだ。あらゆる業務を統合的にサポートするソフトウェアの「既製服」である。この既製服の特徴は、「調整の容易さ」と「先進的業務プロセスの取り込み」にある。「調整の容易さ」とは、多様な機能から自社に必要な機能を選べるという話だ。「先進的業務プロセスの取り込み」とは、パッケージが、合理化の進んだ会社の業務プロセスをモデルにして作られていることを指している。ただし、そこでモデルになっている企業は欧米のものだ。
ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージに素朴な期待を感じる企業は、次のようなことを考えているようだ。
・ERPパッケージでシステム構築コストが大幅に削減できる。
・ERPパッケージに仕事を合わせることで「リエンジニアリング」ができる。
・ERPパッケージには、ほとんどの基本機能が備わっている。
・ERPパッケージは、最新の情報技術を採用している。
・ERPパッケージ導入業者はその中身を十分把握しているから相談にのってもらえる。
本書は、これらの「期待」の真偽を吟味するものだ。本書の結論は、パッケージではなく、「クラス・ライブラリ」または「アプリケーション部品」こそがもとめられるというものである。これは、ユーザ企業が主体性をもって自社に合うシステムを容易に構築できるソフトウェア部品のことだ。実際、パッケージ業者も次世代商品として「クラス・ライブラリ」へと展開をはかりつつある。
本書を通じて、現在のパッケージ・ソフトウェアへの期待のいくつかが「誤解」であることを明らかにしたい。そして、来るべき「クラス・ライブラリ」への発展を情報システム部門の責任者に理解してもらうこと、それが本書のもくてきである。
本書の視点は、「情報システム屋」のものではない。業務改革を志す経営者、経営革新をはかる経営幹部の視点が本書の視点である。情報システムについて深い理解をもって業務改革を志す人、情報システムをバネとして業務改革を行おうとする人、そういう人が本書の期待する読者である。
現在のERPは、必ずしも最新の情報技術に立脚しているものではない。我々が期待する「オブジェクト指向」技術に立脚するパッケージは、現在のERPパッケージの主要製品とは異なる。それは、前述したように、「クラス・ライブラリ」または「アプリケーション部品」と呼ばれるものだ。この方向への発展はすでに動き出している。ビジネスの現場の責任者にこの方向をふまえたうえでERPパッケージを導入してほしい。これが本書の願いである。
本書目的は、必ずしも情報処理の専門家でない人を含む幅広い範囲の人々に、オブジェクト指向について、その本来の意味、目指している方向、現代的な意義を理解してもらうことにある。取り扱う話題の範囲としてはビジネスのモデル化やシステム開発という側面を中心に置くが、情報処理の広範なスパンの中で、オブジェクト指向の考え方(オブジェクト思考)がその一つの中核になっていることを理解してほしい。
したがって、技術の詳細で実務的な解説が目的ではなく、システム開発やデータベース設計などに関する特定の方法論や技法を解説つもりもない。オブジェクト指向は情報処理の広範な分野に関連する技術であるが、本書ではあまり広い応用分野(例えばマルチメディア、グループウェア、人工知能、システム管理など)には立ち入らない。オブジェクト指向の考え方のの基本を述べることが目的ある。
したがって、本書理解に必要な前提となる情報処理固有の技術知識はとくにない。通常のビジネスマンとしての知識があれば十分である。
対象とする読者
・これから情報処理について関心を持つ人
・オブジェクト指向に関心があるが、雑誌や従来の単行本などの表面的な説明に飽きたらない人
・情報処理を企画し、活用する立場にある企業人(経営者や管理者)
・情報処理の専門家で、これからオブジェクト指向技術を仕事に役立てたいと思っている人
・コンピュータあるいはそのソフトウェアに少しでも触れたことがあり、オブジェクト指向を知りたいと思っている人
まえがきより
欧米の手法や技術を丸のみすると食あたりを起こす。時折この比喩を用いてきたがある時「適応異常」という言葉を知った。欧米から何かを取り入れ、適応できたつもりでいても実際には異常を来している。これが適応異常で食あたりと違い自覚症状が無い場合が多いから厄介だ。
近代化に伴う適応異常とその対策が本書の主題である。主題を考えるための題材として日本企業がコンピューターを取り入れる際に生じる混乱を取り上げた。コンピューターは欧米の合理主義の精華だが、日本はコンピュータの製造でも使いこなしでも一時期は欧米を上回るかのような成果を上げた。だがコンピュータに関わる人々を見ると担い手も利用者も苦労が絶えない。何か歪みがある。
本書を読んで頂きたいのは経営者やビジネスリーダーの方々である。収録した原稿は元々日経ビジネスオンラインというウェブサイトに、こうした方々に向けて書いたものだ。コンピューターは題材に過ぎないからそれに関心が無くても、欧米の考え方や手法を取り入れた時の問題と対策を考える際に役立つと自負している。
本書は四つの章に分かれている。第一章に適応異常の実態を、第三章にその原因をそれぞれ書いた。深刻な事故や事件はあえて避け、変だと気付かない事象を取り上げている。第二章はいわば総論で問題と対策の骨子を手短に記している。第四章には主にコンピューター利活用における対策をまとめたが、四章の内容の抽象度を一段上げて読んで頂くと他の技術利活用の際の対策になるはずだ。どの章からでもどの節からでも読めるので気楽に頁をめくり、関心を持たれた所から読み、ご自分なりに考えていただければと思う。
本書は、経営情報学会「システム統合」特設研究部会による2年間の研究成果をまとめたものである。
本書の主要なメッセージは、情報システム統合はそれが支援するビジネスシステムの統合なくしては語れないものであり、ビジネスシステムを支えるアーキテクチャと情報システムアーキテクチャの整合性(アライメント)が、システム統合の成否を決める最も重要な要因である、というものである。
第Ⅰ部「システム統合におけるアーキテクチャ概念の重要性」では、ビジネスアーキテクチャと情報システムアーキテクチャの整合性のベースとなるアーキテクチャ論について述べている。第2章では、アーキテクチャ論を包括的にとらえるために、「エンタープライズアーキテクチャ」について説明し、第3章と第4章で各々「情報システムアーキテクチャと情報基盤整備」と「ビジネスアーキテクチャ」について説明を加えている。
第Ⅱ部「ビジネスシステムと整合した情報システムの構築」では、ビジネスシステムと整合した情報システムを構築するための方法論として、最近注目を集めているITガバナンスと、空間的な軸だけでなく、将来にわたる時間軸も見据えた都市計画アプローチについて述べている。
第Ⅲ部「事例に学ぶシステム統合の実際」では、具体的な事例を取り上げて、システム統合の難しさと、教訓などについて論じている。第12章では、銀行を中心とした金融業を、第15章では製造業を取り上げ、業種によるシステム統合の実際の違いを明らかにしている。
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