情報システム構築方法論

 ここでいう「構築」は新規開発だけではありません。変更・拡張・先祖帰り、 統合・分離などビジネス情報システムを作り、維持する活動を指しています。 ビジネス情報システムの使命は「ビジネスに関与する方々の意思疎通を支援すること」であると、 1985年にANSI(米国標準化協会)とISO(国際標準化機構)のある作業グループが提唱しました。 私たちは、C.バーナードがいう「協働の体系」としての現代組織を形成し、 運用・維持するために、そのようなビジネス情報システムを構築していただきたく思っています。

 申し上げるまでもなく情報システムは「人工物」です。 その仕組みは利用する方々の活動を助けるようにできていなければなりません。 しかし、人工物には副作用が伴います。 ひとたび作ると、その変更・改良・拡張に関して利用者が気付き、 企画・設計しない限り、役立たないものに変わって行きます。 情報技術者任せでは、高価な厄介物になってしまいます。 しかも、変更・拡張・先祖帰りに時間が掛かり、労力と費用が膨大になって行きます。

 利用者が主体性を持って情報システム構築の作業のできるだけ深いところまで関与することが肝要です。 MASP の方法論は日本で一般に行われている方法と違っており、 利用者主導の情報システム構築を行っていただくよう組み立てられています。
 情報システム構築の目的は「自動化と省力」ではありません。働く人達のための作業環境整備です。 技術データ管理支援協会には「やらせる」という言葉はありません。


働く人達が自らの手で道を切り開く
作れば売れる時代は終わりました。いまでは安い労働力を武器とする新興国が台頭し、企業は厳しい競争にさらされています。内向きの反省や批判と洗練だけでは社会から落ちこぼれます。
ビジネスの現場で働く人達が状況変化に気付き、その意味を汲み取り、為すべきことについて語り合い、自らの手で道を切り開いてください。
情報で組織をつなぐ
高技術化に伴い、企業は外部の力を借りてビジネスを遂行する「サプライチェーン」の一環と考えざるを得なくなりました。働く人達は企業にのためにどのように働くかだけでなく、サプライチェーンの中でどのような役割を獲得し、どのように業務連携するかを考えなければ結果を出せなくなっています。
業務連携の方策として情報システムを構築し、利用することを考えて下さい。情報システムは働く人達の作業環境の重要な一部分です。働きやすい環境を皆が語り合って企画・設計し、細かなところは自分の手で調整することが肝要です。そのような作業環境整備の方法を技術データ管理支援協会は提供します。