情報システム構築方法論

 ソフトウエアは情報システムの重要な構成要素です。ソフトウエアはデータ仕様とデータと、それを取り扱うプログラムからなっています。データ構造に基づいてプログラム構造を決定すること、同じデータを取り扱うプログラムはデータ仕様と共に一つのモジュールにまとめること(カプセル化)がソフトウエア工学の基本です。
 残念ながら日本ではこの点に関して誤解があり、少なからぬ情報システム・プロジェクトが失敗しています。密室でプログラムを開発することを許すので、利用者の期待と異なるソフトウエアが出現して当惑します。この原始的な敗因を取り除くために、利用者が情報システム・プロジェクトを主体性を持って管理し、ソフトウエア開発のできるだけ深いところまで参画できる情報システムプロジェクト管理の方法を用意しました。
 これは1970年代に世界に普及した正統的なソフトウエア工学の方法を日本の情報産業に再び導入していただくことを目指しています。単に情報システム構造を改革するだけでは、再構築が終わった後で変更・拡張によって構造が悪化する恐れがあります。組織を人にたとえますと、脳や神経に相当する情報システムを健康に保つために、この方法をご利用下さい。