情報システム構築方法論

 永続し、進化するビジネス組織を支える情報システムの構成要素であるコンピュータ・プログラ ムは変更・拡張・先祖帰りが容易でなければなりません。プログラムの開発段階で、変更・拡張・先祖返りが容易な構造に、プログラムの内部構造を設計する必要があります。その構造は、開発を担当するプログラマでなく、情報システムの運用段 階で変更の必要性に気づく利用者(実務担当者)を含む第三者に理解できるものでなければな らなりません。

 主観的な機能構造でなく、客観的な「データ構造に基づいてプログラムを構造化すべきである」と、正統的なソフトウエア工学では勧告しています。データがビジネスの事実を表現するものであるなら、プログラムに実世界の構造が反映されます。そうであれば、利用者にも理解しやす いでしょう。

 詳細要求を聞き出す前に、データ構造に沿ってプログラムの骨格部の構造を描き、プログラミングしてその妥当性を確認するほうが、課題の焦点を早く絞り込むことができます。それが妥当であれば、詳細部の計算内容を利用者から聞き出し、処理モジュールを作成して単体テストします。できあがったモジュールを骨格部に組み付けるとプログラムができあがります。その出来映えを利用者に見ていただきながら、プログラムを完成させることができます。最初に完全なプログラム要求を述べなくても、データ設計ができているとプログラミングに着手でき、あとで詳細要求を正確に決めることをお奨めします。